カリフォルニア州フレズノ市
今回は、カリフォルニア州フレズノ市をご紹介させていただきます。以下の地図にありますように、内陸部、セントラルバレーにあり、カリフォルニア州の二大都市、北のサンフランシスコと南のロサンゼルスの中間地に位置します。
セントラルバレー地区は、世界で最も肥沃な土地の1つと言われています。古くからメキシコや日本などから農業移民が多く住んでいた歴史があり、現在でも農業が非常に盛んです。全米で消費される大部分の農作物がセントラルバレーで生産されていると言われるほどで、特にフレズノ郡はアメリカ全土でもトップレベルの農業地域です。100万エーカー以上もの土地に7500人以上の農業従事者が働き、250種類以上の農作物が作られています。
農業はフレズノ地域の雇用の約20%を占め、35億ドル以上を地域経済にもたらしています。そして、農業生産だけでなく、グローバル規模の食品・農産物加工関連産業も発達しています。缶詰工場、冷凍加工工場なども数多くあり、雇用を生み出しています。
東部にはシエラネバダ山脈が広がり、世界でも有名な観光地のヨセミテ国立公園やセコイア・キングスキャニオン国立公園などの観光拠点都市としても発達しています。
フレズノ市は日本との関わりがある市でもあります。古くから日系移民が農業に従事するために移住してきた歴史から、現在でも日系の寺院や教会などがあります。セントラルバレー地区に住む日本人家庭の子供たちの為のセントラルバレー日本語補習校もフレズノ市内にあります。
また、高知県高知市とは1965年から50年以上もの間、姉妹都市としての関係が続いています。市民レベルでの交流が何度も行われていて、例えば高知市立江ノ口小学校の代表団が1966年にフレズノ市立ホーランド小学校を訪れて以来、姉妹学校の関係にあるなどといったことも紹介されています。
フレズノ市は、カリフォルニア州で5番目に大きな都市です。セントラルバレーの中では最も大きな都市で、カリフォルニア州内陸部経済の中心的役割を果たしています。メトロポリタン・フレズノと呼ばれるフレズノ都市圏では、この30年余りで人口は2倍近くに増加し、総人口は100万人を超えました。
そしてフレズノ市は、フレズノ郡の郡庁所在地です。農業だけでなく、アメリカ国税局などの政府機関支局、全米規模の保険会社などもオフィスを置いています。アメリカでトップクラスのカリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部の医療施設や大病院もあります。カリフォルニア州立大学フレズノ校やフレズノシティーカレッジは、それぞれ2万人以上もの生徒を抱える大きな大学です。
また、地理的に、カリフォルニア州の中心部に位置し、大きな人口を抱えるサンフランシスコ・シリコンバレーのベイエリア地区からロサンゼルス広域地域まで、3500万人以上もの人々へトラックが1日以内でアクセスできる距離にあるため、物流の拠点としても非常に重要な役割を果たしています。
カリフォルニア州高速鉄道局 は、カリフォルニア北部サンフランシスコ・サクラメントから南部ロサンゼルス・サンディエゴまでの長距離を結ぶ高速鉄道を推進していますが、以下の地図に示されているように、フレズノ市にも駅が建設されることが計画されています。現在サンフランシスコ~ロサンゼルス間は車で6時間程度を要しますが、この鉄道が開通すれば、約半分の3時間程で移動可能になります。そして、この鉄道の建設で更なる雇用の増加も見込まれています。
このような高速鉄道等開発が進むと、北カリフォルニアの中心サンフランシスコ・シリコンバレー地区、南カリフォルニアの中心ロサンゼルスに加え、カリフォルニア内陸部の中心として、フレズノ市は更なる発展をすることでしょう。